(文責:松村正悟)
我々AsiaWiseは、11月12日から17日にかけて、香港・深センへ視察に行ってまいりました。ここでは、香港での視察についてご報告いたします。
香港といえば、現在反政府抗議活動が激化している影響で、非常に緊迫した情勢にあります。そんななか我々は、香港の中心商業地区である中環(Central)を訪問し、現地に拠点を置く法律事務所や企業を訪問いたしました。中環はビジネス街であり、朝の時点ではデモの形跡もさほどなく平和そのものだったのですが、お昼にはデモ隊と警察の衝突が発生したため雰囲気が一変しました。黒いマスクを着けた若者が抗議のため車道を封鎖し、街中のいたるところに武装した警察官が配備されるなど、非常に緊迫した空気に包まれていました。
ところが、現地の方々に話を聞いてみると、香港のこの緊迫した状況は、(デモによる交通障害を除けば)さほどビジネスには影響を与えていない、むしろ今の懸案事項は米中間の貿易戦争である、という意見がありました。やはり香港の特徴・強みといえば金融やIPOであり、先日もアリババ集団が香港取引所でIPOの手続を開始したと報道されたところですが、中国の有力スタートアップが香港での上場を目指すという流れは、今後もひとつのトレンドとなるようです。
他方で、この緊迫した情勢がいつまで継続するのか不明、収束の目途も立ってない、という点を懸念する声もあります。香港に進出している企業が撤退する動きも今後増えていくのでないかとの意見もありました。
実際に訪問してみて、今回の香港における抗議活動やこれに伴う情勢の不安定化によって、ビジネスがシュリンクしているという印象はあまり受けませんでした。依然として、金融都市としての香港の重要性は揺るがないのではないかと思います。