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【ニュース】長崎大学Social Business講義総括

2018年12月19日

文:久保光太郎

12月4日、インド時代からの盟友である松島教授の長崎大学の講義で、ソーシャル・ビジネスについて市民、学生向けにお話をして参りました。

 

私は10年近くアジアの新興国において活動してきましたが、その中で、「通常の企業活動=利益追求」、「Non-profit/ソーシャル・ビジネス=社会的問題の解決」という一見わかりやすい図式が成り立たないと思うことがよくありました。

 

当然のことながら、社会的問題を解決することができれば、大きなビジネスになります。アジアの新興国では、インフラ、医療、農業等の社会的な課題を解決すべく、多くのビジネスが立ち上がっています。また、企業が社会的に問題のある方法で利益追求をしても、結局はうまくいきません。ソーシャル・ビジネスを「通常の企業活動」から切り離してしまうことは適切でないと思います。

 

他方、社会的に意義がある活動を続けるためには、当然、そのコストをまかなうためのお金が必要です。私はNGOの活動にも多少関わったことがありますが、NGOも、合理性、専門性のある組織と「企業家の精神」が必要となります。Non-profitの活動もソーシャル・ビジネスでなければならないのだと思います。

 

最近、テクノロジーの発達により、社会的なイノベーションを起こすスタートアップの時代が到来しつつあります。これはソーシャル・ビジネスにとっても大きなチャンスです。ビジネスの種は社会的課題の中に転がっています。それを解決するためのテクノロジーも日々進歩しています。こういう時代だからこそ、若い世代の方々には社会的問題に関心を持って、新しい発想と切り口で、社会的問題を解決するビジネスを始めてもらいたいと願ってます。キーワードは、「Cool head, warm heart」です。

 

英語と日本語のちゃんぽんの講義でしたので、どこまで私のメッセージが学生に伝わったかわかりませんが、私にとっても大変楽しい時間でした。今後も本業だけではなく、様々なテーマについて視野と見聞を広げて活動してまいりたいと思います。