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AW Alert India 1: インド・コロナ最新動向 (2020/3/6時点)

2020年3月6日

(文責:渡邊満久/AsiaWise法律事務所所属、インド駐在中)

 新型コロナウィルス(COVID-19)の日本における感染拡大を受け、日本人向けのインドVISAの発給等が制限されるなどの影響が3月上旬より出始め、次いで、インド国内における新型コロナウィルスの感染者がじわじわと広がりを見せてきております。

 そこで、本Alertでは、3月6日(金)時点における、新型コロナウィルスのインド関連での影響についてご報告致します。

 AsiaWise Groupでは、今後も継続的に、メールマガジン形式で、随時、最新の情報をお届けする予定です。配信をご希望の場合は、サイトの登録フォームからご連絡下さい。

1. 日本人向けVISAの状況

(1) 現在、3月3日以前に発給され、同日時点でインドへ入国していなかった日本人に対する、全てのVISAの効力が、一時無効となっています。一連のコロナウィルスの事態が収束した後に一時無効は解除される見込みであるとされていますが、それがいつになるのか、また本当に無効が解除されるのかどうかについては、予断を許さない状況です。

(2) インド国内に滞在していたために無効を免れたVISAについても、一度インド国外(日本以外の国も含みます)へ出国すると一時無効になるとされています。したがって、インド駐在者は、事実上、インド国外へ出国することができなくなっています。

(3) インド国外へ出国していたためにVISAが一時無効となった日本人については、日本では、東京のインド大使館及び大阪のインド総領事館でのみ、VISAの申請を受け付けております。申請に際しては、申請者の健康状態、新型コロナウィルスの影響のある国への渡航歴に関する証明、インドへ入国しなければならない必要性について、書面で提出する必要があります(https://www.indembassy-tokyo.gov.in/jp/pdf/pdf_6_3_2020.pdf)。詳細は、インド大使館のHPをご確認下さい(https://www.indembassy-tokyo.gov.in/jp/index_jp.html)。

(4) なお、インド現地で収集できた非公式の情報として、3月3日以降に、シンガポールのインド大使館においてVISAを取得し、インドへ入国できた日本人の例が存在しているようです。この非公式の情報によれば、シンガポールのインド大使館においては、申請から2,3日でVISAを取得することができたようです。

2. インド国内における新型コロナウィルスの影響

(1) インド国内で確認されている新型コロナウィルスの症例は31例です。確認された地域・都市は、ケララ州、デリー、ハイデラバード(なお、ハイデラバードで発症が確認された患者は、バンガロールの企業に勤める者で、バンガロールの職場で数日間勤務していたと報道されています)、ジャイプール、アグラ、グルガオン、ガジアバードです。

(2) 3月に入り、次第にインド国内における感染者がじわじわと拡大する中で、インド国内におけるイベント等の自粛の動きが出始めてきました。商工会関係の集会が中止又は電話開催へ変更されたり、一部のmeetingがキャンセルされたりといった影響が出ております。

 但し、現在のところ、会の規模や内容等を踏まえての冷静な判断がなされており、過剰な反応は見られないというのが、現地における実感です。

(3) また、インド国内における、日本人に対する差別的な言動もほとんど確認されておらず、ムンバイにおいて、日本人がコロナと名指しされるという事例が一例報告されるに留まっています。

(4) 上記1.のVISAの効力停止を受け、航空便に影響が出始めています。既に、ANAは、3月16日発~3月28日発までのムンバイ便、3月18日発から3月28日発までのチェンナイ便の運休を決定しており、デリー便についても、成田3月17日発~デリー3月29日発まで、週3便に減便することが決まっております。

 今後、他の航空会社についても運休や減便がなされる可能性があり、注意が必要です。